ネコとコーラと国語と私

私立高校勤務の国語教師が感じた教育に関するあれこれ。あとたまにネコとかコーラとか。ブログ毎日更新中。

忙しすぎて「脳みそがもう一つ欲しい」と思った時に思い出したいこと

最近より一層、なんやかんやと考えることが多く、毎度のことながら脳みそがパンク寸前です。土日でクールダウンせねばなりません。 つい最近までは、「ああ、自分がもう一人欲しい。分身の術をマスターしたい」と考えながら、『ナルト』を読み返していたわけで…

一冊の本に書かれた内容を全て受け入れる必要はない

テストを作らねばならないという時に限って、ついつい読書をしてしまう。 これは大掃除をしないといけないのについ卒業アルバムや卒業文集に夢中になったり、テスト勉強しないといけないのについ漫画を読み耽ったりしてしまうことに似ている。こんなことでは…

なぜ『山月記』における「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」というフレーズをほとんどの日本人が覚えているのか

おそらく日本人の大多数の大人が高校現代文の授業で『山月記』を学んだはずだ。そして、その中でもとりわけ鮮明に記憶に残っているフレーズに「臆病な自尊心」「尊大な羞恥心」というものがあるだろう。 なぜ、これらのフレーズはここまで人々の脳裏にしっか…

たかが考査、されど考査 ――「考査のための考査」からの脱却を

期末考査を作ろうと思いながらも、実際には構想を練るだけで終わってしまった日曜日。 いや、今週末は仕事をすまいと決意していたのでこれでいいか。明日から本気出す。 生徒のどんな「能力」を測るのか 昨年から「板書内容の丸暗記」に陥ることが無いよう考…

学校全体で「Teams」を導入して痛感する情報共有の大切さ

勤務校では、今年度よりMicrosoftの提供するサービス「Teams」を学校全体として導入している。 products.office.com これは「Slack」のような職場におけるコミュニケーションツールであり、さらに噛み砕いていえば、仕事に特化した「LINE」のようなものであ…

出張3日目 ――現実に引き戻される

何とか出張の全行程を終え帰校しました。 長期出張で学校を空ける際は、帰ってから自分のデスクを見るのが億劫です。 案の定、あらゆる資料がミルフィーユ状態になっていました。 クラスでも何やら一悶着あったらしく、週明けには手をかけていく必要がありそ…

出張2日目 ――長距離運転の孤独と退屈さを紛らわす

本日よりレンタカーを利用して、二手に別れての中学校巡り。ペアを組んでいた先生とも別行動になってしまいます。 となるとそこで生じるのは、眠気と孤独との戦い。 【目次】 ラジオを聴く ドラマCDを聴く J-ROCKを聴く 自分の声を聞く 俺の話を聞け ラジオ…

出張1日目 ――学校を離れて気付くあれやこれ

本日は生徒募集活動の出張1日目。 中学校を一校一校回り、勤務校のアピールをします。 もう既にお酒が入ってしまったので、出張1日目にて感じたことを箇条書きでまとめておきます。 ・自分が他校に乗り込んで始めて分かる、丁寧な対応のありがたさ。 →これ…

出張を快適にするために是非とも持っていきたい七つ道具

年に数回、県外に出る出張があるわけですが、数年の経験から「これはあると便利」をまとめてみました。 【目次】 ①延長コード ②プラグ搭載型モバイルバッテリー ③Kindle端末 ④マスク ⑤ジップロック ⑥手帳 ⑦FMトランスミッター まとめ ①延長コード ビジネスホ…

美容師さんと話して感じるコミュニケーション力の大切さ

本日は散髪に行きました。 夏も近づき日に日に暑くなってきているということに加え、来週は生徒募集のための営業活動という名の出張もあるため何としてでも今日の休みにさっぱりしておきたかったのです。 これまで散髪は特に時期を定めずに適当に行っていた…

誰のため、何のための勉強か

本日のメインは学年の生徒を集めて喝を入れるお仕事。 期末考査まであとしばらく時間があるために、ややだらけ気味なこの時期。もっと大局的に物事を捉え、「テストのための勉強」から脱却させてやらねばならない。 そのためにも「自分が何をしたいのか」を…

妥協の末の時代に逆行する講義スタイル授業と、その中でのせめてもの悪あがき

ここの所ずっと悩み続けている古典における「知識」と「能力」の育成バランス。 www.yasuteru24.com 正直まだ明確な答えは出ていない。けれど、とりあえず時間は止まってはくれないので何かしらやっていかなければならない。 やはり「受験」にビビってしま…

「教える」と「教わる」は表裏一体

今年は実習生が多いので、この時期は様々な教科で研究授業が実施される。 「たかが実習生の授業」と侮るなかれ。毎回たくさんの気付きを得ることができる貴重な機会だ。 【目次】 実習生にどこまでのレベルを求めるべきか 「教室」という密室の解放を 「評…

「多忙」という名の鉄壁のディフェンス

【目次】 生徒と直接関わるまでに済ませなければならないあれこれ 生徒と楽しくコミュニケーションを取るまでに済ませておきたいあれこれ 色々な人に対する済まない気持ちあれこれ 「ごめん」で済めば教員はいらない 生徒と直接関わるまでに済ませなければな…

「支配される快適さ」の殻を破れ

本日は教科内外、様々な立場の先生と話す機会があったけれど、やはりみんな考えていることは同じなんだなということを再認識できて嬉しくなった。 これからの時代、「学校」はどうあるべきか。 「高校」と言う場は教師にとっては「生涯を尽くす場所」である…

「やればできる子」は褒め言葉でも何でもないし、「やってみなけりゃ分からない」は勇敢でも何でもない

やってないからできていない 学校にいるとよく耳にするフレーズの一つに、「この子はやればできる子」がある。いや、学校現場じゃなくても、あらゆるところで耳にしている気もする。大人はみんなこの言葉が大好きだ。 一見、子どもの可能性を信じ、鼓舞する…

【授業実践】「山月記」に朗読の活動を取り入れることで、人物の心情をより深く理解させてみようという試み

今日も今日とて「山月記」です。 定番過ぎて、授業にも何か行き詰まり感があったため、思い切って大きく授業のやり方を変えてみることに。 【目次】 小説から心情を読み取る 読み取った内容を再びアウトプットするという作業 授業の実際 反省点 小説から心…

「忘ること忘るべからず」ということを思い出す

ここのところ物忘れが激しい。 古典の授業を複数学年にまたがって受け持っているため、授業である事項について説明しようとするときに、それが二年生のクラスで教えたことなのか、三年生のクラスで教えたことなのかが分からなくなる瞬間がある。意気揚々と単…

【読書】『Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ』 ――「いかに学ぶか」を知らねば、「どう教えるか」を考えようがない

この週末でようやく読み進めることができた一冊。 Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ 作者: アーリック・ボーザー,月谷真紀 出版社/メーカー: 英治出版 発売日: 2018/07/19 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 教え方…

授業記録にも最適、手書き入力対応の手帳アプリ「Planner」が使い勝手が良すぎる

先日上げたiPadとApple Pencilによる手書きのデジタル化についての記事ですが、結構な反響があって驚いています。 www.yasuteru24.com やはりこのご時世、興味のある人は多いのですね。 iPadをシステムテム手帳がわりに 今回はiPadを手帳化すべく、色々と試…

「iPad」&「Apple Pencil」の合わせ技が最強すぎて、もはや紙なんて必要ない

最近Apple Pencilを本格的に使い始めたところ、大げさでも何でもなく紙なんて必要なくなってきました。 これはあと一歩運用のシステムを確立させれば、本当に革命が起こりそうな勢いです。 【目次】 全ての立役者「Apple Pencil」 「デジタル×手書き」なら…

【授業実践】「山月記」で主人公李徴のモンタージュ写真を作らせてみた

高校現代文における定番教材「山月記」。正直な話、定番過ぎて少々授業をし飽きてきた感があります。 と、そんなわけで今年は少し導入の趣を変えてみることに。 【目次】 導入部分における「李徴」の人物像確認の大切さ 言語に喚起されて形成されたイメージ…

疲れたのなら、休めばいい

中間考査も終わって、生徒たちの学習に対するモチベーションの低下が凄まじい。 そりゃそうだよね、私だってモチベーション上がらないし。至って正常な状態だと思います。 ただ、ここであまりだらだらされても後々に大きく響いてくるため、あまり看過もして…

学習環境がアクティブラーニングの成果に与える影響は大きい

分かっている、環境のせいにすべきではないと。 「弘法筆を択ばず」。我々は環境に左右されない真の教育力を備えねばならぬ。分かってはいるんだ。 けど、どうしても、「良い環境」を求める溢れんばかりの衝動が止められないのです。 物理的な学習環境をも…

負けて流した涙には、どれくらいの価値があるのか?

本日はインターハイ県予選の引率。 残念ながら優勝することは叶わず。涙と共に3年生の高校での部活動は幕を閉じました。 どんな大会であろうと、最後の最後に土つかずの状態で笑って引退を迎えられるのは全国でたった1チームのみ。大会無敗の栄光を手にす…

「やる気スイッチ」なんてものが果たして本当に存在するのか?

テストの採点をしていると、点数をあげるために作問したサービス問題で点を取れていない生徒が一定数いることに頭を悩ませます。 わざわざ範囲をきっちりと指定し、「ここからそのまま出す」と宣言しているにもかかわらず見事に間違っている生徒が一定数存…

中学校へ行こう

本日は生徒の募集活動をするために近隣の中学校の訪問をしてきました。 高校の教員自らがこうして募集活動をしていることは結構意外なようで、中学校の先生たちにはいつも驚かれます。自分たちで生徒を集めなければならない私立ならではの活動です。 丁寧な…

「定期考査」を根本から見つめ直したい

定期テストという制度がいつから始まったのかは知りませんが(調べればすぐ分かりそうなものだけど、もうそんな気力すらない)、そろそろこのスタイルも変えていけるのではないかと感じる今日この頃。 実施する側の目的を明確に なんだか現場を見ていると、「…

悩みの「型」に陥る生徒たち

テストと同時進行で教育相談を実施中。高校二年生の担任をしていますが、みんなそれぞれに悩みを抱えています。 教員生活も10年そこらになってくると、生徒から飛び出してくる悩みのパターンは大体出尽くした感がある。 「恋に恋する」ならぬ、「お悩みに苦…

【授業実践】高校1年生現代文、1学期の授業振り返り(リーディングワークショップ・ビブリオバトル)

現在中間考査の真っ最中。 授業もないため、日頃貯めがちな雑務をサクサクこなそうと意気込んで出勤したはいいものの、気付けば大して仕事が片付かぬまま退勤厳守時刻を迎えているという相変わらずの時の加速っぷり。謎。 さて、今年度もいよいよ本格的に授…