どうも高校生は他人に向けて自分の意見を述べるのが苦手らしい。
休み時間に友達と楽しくおしゃべりしている時のあの元気が嘘のように意気消沈してしまう。
どうして言葉にならないのか
原因分析① 「思春期特有の気恥ずかしさ」
これは確実にある。小学生の時は大抵の子どもは人前での発表に抵抗はなく、授業参観などでは我先にと発表したがるものだ。
それがどうか、大人になるにつれて自意識が肥大化し、他者の目を異常に気にするようになり、結果とんでもなくシャイになってしまう。仕方ない、人間の遺伝子では成長過程においてそのような挙動を示すようプログラムされているらしいから、こればっかりはいかんともしがたい。むしろ正常な成長の一過程であるとも言えよう。
自他意識の萌芽がそこにはあり、それを乗り越えて人間は大人になってゆく。
原因分析② 「発信する内容に自信が持てない」
人間、自分が自信を持っていることについてはそれほど気後れすることなく話をしたり書いたりすることができる。極論、「1+1は?」と聞けば、100人中99人は答えを自信を持って即答してくれる。変に勘ぐり、とんち的な答えを返してくる人もいるかもしれないけれど、少なくとも無言になることは無い。
となるとやはり、人間が「沈黙」してしまうのは、「沈黙」が答えになるようないじわるクイズである場合や、単純に答えが分かっていない場合を除き、「話す内容はあるけど自身が無い」という状況が多いはずだ。
人間誰しも「好き」を伝えたい欲はあるはず
人間が一番饒舌になるのは「自分の好きなことについて話をしている時」であると思う。友達と話をする時にあれほど自信満々に話をすることができるのは、ひとえに「自分にとって興味のある話題だから」という部分が大きいはずだ。
と、いうことで、この夏は「自分の好きなことの魅力を他人に効果的に伝えよう」をテーマに、表現力アップの授業を目論んでいる。
単純に「表現力向上」を考えた時に、色々なアプローチの方法を考えたのだけれども、とにかく今回は「そもそも伝えることができない」という状況を打破するための手立てを整えていきたいなぁという思いがある。
現在考えているのは「読書感想文(マンガOK)」というもの。高校生はマンガが大好きだ、そこで、自分のおすすめのマンガの魅力について思う存分表現してもらおう、というコンセプトだ。
手順をしっかりと練らないと収拾がつかなくなってしまうのだけれども、うまく流れを作ることができれば、生徒の「自分の『好き』を他人に存分に語りたい」を上手に利用して、表現する力を底上げするような授業を展開できるはずだ。
色々と工夫して、何とか形にしていきたいところ。