現在何かと話題になっている吉本興業に関する記者会見。
そして本日は参議院議員選挙もあり、各種メディアはなんやかんやと大騒ぎです。
【目次】
情報は屈折する
テレビや新聞をはじめ、最近ではインターネットでも情報を仕入れることが可能となっており、どんなメディアからどんなコンテンツを入手するのか、その手段も非常に多岐に渡っています。
選挙の際には、生徒には毎回「立候補者が試されるのが選挙じゃない、投票者が試されるのが選挙なんだ」と話しています。
一つの情報をどう解釈し、そしてそれを元にどう行動するのかは、個々人で大きなズレが生じます。だからこそ、我々は自分の行動の正しさを、常に客観的に振り返り続けなければなりません。
不祥事を起こした議員を責めるということは、その議員を選出した有権者を責めることと殆ど同義であるわけです。それが民主主義に基づく選挙の大原則。
どんな情報も、何らかの媒体を介する度に屈折してゆきます。
情報を扱う者の主観によって都合よく捻じ曲げられ、不都合な部分は削られ、あるいは付け加えられ、印象を巧みに操作されてゆくわけです。
世の中の噂話には、長い尾ヒレがつきものです。
一次資料を当たる大切さ
今回の吉本芸人闇営業問題に関する記者会見は、あらゆるメディアでその内容が特集されました。ただ、本来は2時間以上に渡る会見をダイジェストにしたため、自然そこには「省かれた内容」が存在するわけです。
そして、どこを残し、どこを捨てるのかを決定するのは情報を発信する側であり、そこにはかなりのバイアスがかかります。簡単に言えば「発信者の都合の良いように加工される」わけです。
テレビ業界が吉本興業と昵懇の仲であるのは最早周知の事実。もちろん、ビジネスライクでの結びつきです。
となれば、テレビでの報道内容には少なからず偏向があるのは当然のことと言えます。都合の悪い事実は意図的に省かれてしまう。
今回もまさにそうしたテレビ局側の忖度が発動していたようにも思います。
今回の件については、私自身どちらの味方でもないので、比較的冷静に「ああ、ここ省かれたなぁ」と思いながらニュースやワイドショーを見ていましたが、何もこの件に限らず、こうしたことは日常茶飯事で発生していることといえます。
何なら今回の選挙に関しても、意図的な情報の歪曲はあらゆるメディア上で発生していたわけで、知らず知らずのうちにそうした偏向報道に踊らされる形で投票先を決めていた、という人も多かったのかもしれません。
やはり何事も、一次資料に当たるよう心掛け、なるべくまっさらな状態の情報を元にして解釈を加えていくようにしたいところです。
教育で何ができるか
そこで大きな力を持つのが「教育」となります。
自分の力で一次資料まで辿り着く力、情報を多角的に眺めて適切に解釈を加える力、解釈したことを元に最も効果的な行動を主体的に選択する力……などなど、生徒を社会に送り出す前に身につけさせておきたい力は多岐に渡ります。
何を間違っても、「解釈の押し付け」をしてはいけません。例えそれが、教える側・教わる側双方にとって楽な道であっても、です。
そんな姑息なやり方に慣れてしまうと双方にとっての成長は望めなくなってしまいます。
情報の津波が毎日のように押し寄せる現代社会。
生徒にはその波を乗りこなす術を教えなければならないし、そもそも我々自身が波を掴む感覚を養っておかなければならない。選挙の度にそう思います。