ネコとコーラと国語と私

私立高校勤務の国語教師が感じた教育に関するあれこれ。あとたまにネコとかコーラとか。ブログ毎日更新中。

学校改革

学校現場におけるグループウェア(「slack」「Teams」等)導入のメリットと、それを利用した勉強会のススメ

【目次】 「校内グループウェア」の導入・活用は、働き方改革の効果的な一手となりうる 利点① 全体での共有が一瞬でできる 利点② 人間が移動する必要が無くなる 懸念① 情報漏洩のリスク 懸念② 「どこでも仕事場」化 校内での「勉強会」に改革を 実施に関わる…

「宿題前提症候群」からの脱却を

2学期が始まりまた生徒に宿題を課し始めるのだけれども、そろそろ宿題をなんとかしたい。 最近は寝ても覚めても宿題のことばかり考えている。恋かな? 「大人数に一律で」というスタイルの限界 クラス内での学力差が大きく、どこに照準を合わせても誰かしら…

「やりたくないから無くす」ならば教育は要らない

勉強は「やりたいか否か」と問われたら、大抵が「やりたくない」となるはずである。夏期補習も終わったため、簡単にアンケートをしたところ、「補習をしたくない」というスタンスの回答が散見された。 ただ、「補習に意義を感じるか」という角度で問いを作る…

未来のマナビフェスのまとめや感想など 「③キーノートセッション ―見える化をきっかけとした学校づくり―」

2日目のキーノートセッションは、待ちに待った中原淳先生の講演。先生のブログの熱心な読者である私としては、もはや講演の内容云々よりも生で中原先生を拝見できるということにテンションが上がります。そんなこんなで、アイドルのコンサートばりに気合いを…

未来のマナビフェスのまとめや感想など 「②授業改善を軸にした学校づくり ―PDCAサイクルから探究する組織へ―」後半

前回に引き続き、京都大学の石井英真先生の講義の内容や、講義を受けて考えたことをまとめていきます。 【前回の記事はこちら】 www.yasuteru24.com 講義の前半のテーマは「学校を改革するとはどういうことか?」「『よい学校』とはどのような学校か?」であ…

未来のマナビフェスのまとめや感想など 「②授業改善を軸にした学校づくり ―PDCAサイクルから探究する組織へ―」前半

【オープニングセッションの振り返りはこちら】 www.yasuteru24.com 選択制であるセッションAは、京都大学の石井英真先生による「授業改善を軸にした学校づくり ―PDCAサイクルから探究する組織へ―」を選択しました。 これまたこんな機会でもなければ話を聞く…

未来のマナビフェスのまとめや感想など 「①オープニングセッション」

さて、今週参加してきた「未来のマナビフェス2019 ―2030年の学びをデザインする―」について、数日に分けて整理していこうと思います。 オープニングセッションは溝上慎一先生による「みんなではぐくむ学びの未来」と題された講演。 強い憧憬の念を抱いていた溝…

「チーム」とは何か? ――「スラムダンク」の安西光義先生と、「医龍」の朝田龍太郎先生に学ぶ

「協働」の重要性が叫ばれる昨今、生徒たちはあらゆる他者とチームを結成し、協働を行う中でこれからの時代に対応できるだけのマインドを養っていかなければなりません。いや、別に生徒に限った話ではなく、学校現場においては我々教員もチームを組んであら…

これからの激しい競争の中で生き残る「学校」の条件とは? ――乱立する「美容院」に学ぶ生存の術

何故か恒例になりつつある散髪記事。 www.yasuteru24.com www.yasuteru24.com 本日は43日ぶり3回目の投稿となります。 こうしてしっかりと振り返ってみると、まぁまぁ定期的に散髪をしていることに気付きます。だからなんだという話ですが。 そんなライフロ…

「休まない」のではない、「休めない」のだ

いわゆる「Do not」と「Can not」の違い。これを混同している状況はあちこちで散見されます。 これらを意識の上で明確に使い分けなければ、意図した通りの結果を出すことが非常に難しくなってくる。常に問い続けたい。 【目次】 「夏休み」という名の休めな…

学校という名の「釜茹で地獄」、そこから逃げ出すのは誰なのか

立教大学経営学部の中原淳先生のブログを毎日拝読しているのですが、先日、とりわけ印象に残るエントリーがありました。 「組織のなかで死んでいくのは『ゆでがえる』ではなく『オタマジャクシ』であるという『ホラームービー的現実』!?」と題されたそのエン…

正しい会議の進め方は、誰かが教えるべきなのか? ――「生徒の主体性に任せる」の難しさ

さあやってきました生徒総会のシーズン。 毎度毎度、予定調和とも言えるお芝居にも似たやり取りが無為に交わされるだけの場となっていることに疑問を感じずにいられないところです。 果たしてこの会議に何らかの意義を感じている生徒はどれくらいいるのだろ…

「インクルーシブ教育」に関する講演を聞いての覚え書き

本日は勤務校に大学教授をお招きしての職員研修。 本題は「インクルーシブな高校」の在り方について。ただ、それに限らず、印象的な内容があったため個人的なメモを整理がてらまとめておきたいと思う。 【目次】 ①生徒を「対象」ではなく「主体」として考え…

実りある「対話」に満ちた学校に憧れる

週末は思い出したように学校改革本を読みなおしていました。 シンプルな方法で学校は変わる 自分たちに合ったやり方を見つけて学校に変化を起こそう 作者: 吉田新一郎,岩瀬直樹 出版社/メーカー: みくに出版 発売日: 2019/03/15 メディア: 単行本 この商品を…

新たな概念を職場に取り込む際に大切なこと ――直輸入ではなく、適度なローカライズを

昨日の内容に関連してもう一つ。 最近この手の話題に興味津々なお年頃。 www.yasuteru24.com 閉鎖的な環境に新鮮な風を吹き込もう 勤務校は割と閉鎖的な環境にあると思っている。地理的にはもちろんのこと、私立校であることもあって職員全体の認識としても…

学校全体で「Teams」を導入して痛感する情報共有の大切さ

勤務校では、今年度よりMicrosoftの提供するサービス「Teams」を学校全体として導入している。 products.office.com これは「Slack」のような職場におけるコミュニケーションツールであり、さらに噛み砕いていえば、仕事に特化した「LINE」のようなものであ…

「教える」と「教わる」は表裏一体

今年は実習生が多いので、この時期は様々な教科で研究授業が実施される。 「たかが実習生の授業」と侮るなかれ。毎回たくさんの気付きを得ることができる貴重な機会だ。 【目次】 実習生にどこまでのレベルを求めるべきか 「教室」という密室の解放を 「評…

「多忙」という名の鉄壁のディフェンス

【目次】 生徒と直接関わるまでに済ませなければならないあれこれ 生徒と楽しくコミュニケーションを取るまでに済ませておきたいあれこれ 色々な人に対する済まない気持ちあれこれ 「ごめん」で済めば教員はいらない 生徒と直接関わるまでに済ませなければな…

「支配される快適さ」の殻を破れ

本日は教科内外、様々な立場の先生と話す機会があったけれど、やはりみんな考えていることは同じなんだなということを再認識できて嬉しくなった。 これからの時代、「学校」はどうあるべきか。 「高校」と言う場は教師にとっては「生涯を尽くす場所」である…

学習環境がアクティブラーニングの成果に与える影響は大きい

分かっている、環境のせいにすべきではないと。 「弘法筆を択ばず」。我々は環境に左右されない真の教育力を備えねばならぬ。分かってはいるんだ。 けど、どうしても、「良い環境」を求める溢れんばかりの衝動が止められないのです。 物理的な学習環境をも…

「定期考査」を根本から見つめ直したい

定期テストという制度がいつから始まったのかは知りませんが(調べればすぐ分かりそうなものだけど、もうそんな気力すらない)、そろそろこのスタイルも変えていけるのではないかと感じる今日この頃。 実施する側の目的を明確に なんだか現場を見ていると、「…

どうせやるのなら、工夫のし甲斐のある仕事がいい

【目次】 授業やクラス運営は工夫の余地の塊 「できない」を「できる」に変える面白さ 本日は勤務時間の半分以上をパソコンとにらめっこしてひたすらデータとの戦いでした。学籍データと考査成績の管理作業。 今日一日で自分のデスクと職員室後方のプリンタ…

正義という名の仮面を被った「宿題」に鋭いメスを

本日の地区大会は勤務校の体育館が会場になっていたので、不幸中の幸い(いや、考えようによっては不幸中の不幸とも言える)とばかりに、職員室と体育館を往復しながら仕事をしていました。 最大の懸念材料であった審判業務は何とか終了。怪我も無く終了し、ほ…

無免許なのに大会審判をしなければならない部活動顧問の悩み

本日は部活動地区大会の引率&大会の審判をしてきました。 ライセンスを持っていない運動不足の中年男性に、大事な試合の審判をさせてはいけない。相変わらず全ての力を使い果たして疲労困憊です。 しかも、「明日も審判あるぞ」と言われる絶望感。正直、中…

【読書】『“オフィスのプロ”だけが知っている キングジム 人も組織もうまくまわりだす 超整理術213』――付け焼刃ではない真の整理術を身につけたい方へ絶対におすすめの一冊

【目次】 仕事の「効率」を重視する自分に突き刺さった一冊 ただの「片付けのテクニック集」にあらず どこを読んでも、どこから読んでもためになる 014「過去の『しきたり』を変える」 036「自分だけでなく組織全体の効率を考える」 083「整理術に絶対的な正…

生徒のボランティア活動参加を、学校はどのようにサポートできるのか

地元のお祭りに生徒たちがボランティアとして多数参加をしているので、本日は顔を出してみました。祭りを楽しむ単なる一市民として。 みんな炎天下の中、あくせくと働いていました。 10連休の過ごし方も色々 前代未聞の10連休。勤務校の進学コースに籍を置く…

学校教育における「部活動」の在り方についての雑感

【目次】 別に、「部活動そのもの=悪」ではない 時代は確実に変わっている、部活は変われているか? 思考停止では何も変わらない じゃあどうすべきか 世間は10連休で盛り上がっているようですが、そんな俗世のお祭り騒ぎなど、どこ吹く風。こちとら今日も…

流動性の高い職場でオンリーワンを目指してはならない

仕事を後任に引き継げなくなってしまうから。 引き継いでも、絶対に定期的に質問攻めにあうから。 結果的に、いつまでもその仕事から逃れられなくなるから。 悪い意味で一目置かれ、誰も後からついてきてくれなくなるから。 そして、それらすべての現象が組…

どんな学校を目指すべきか ――『変わる学校、変わらない学校』シリーズに学ぶ学校経営計画の立て方

【目次】 抽象度の高すぎる目標 なぜこうした問題が起こってしまうのか では、どうすればよいのか 明日は学校改革プロジェクトの会議にて「学校経営計画」と「具現化目標」における問題点の洗い出しを行う、ということになっています。 これに関しては、妹尾…

常に「新しい」を目指す

どっかの企業のキャッチコピーみたいですが、私の座右の銘のひとつです。 「前年度と完全に同じ」にならないように デスクのあり方にせよ、授業の内容にせよ、クラス運営の仕方にせよ、常に最善を目指しながら日々新しいことができるよう心がけています。 こ…