昨日の内容に関連してもう一つ。
最近この手の話題に興味津々なお年頃。
閉鎖的な環境に新鮮な風を吹き込もう
勤務校は割と閉鎖的な環境にあると思っている。地理的にはもちろんのこと、私立校であることもあって職員全体の認識としてもその傾向は高いように観察される。
別に批判しているわけではない。これはこれで良い面もたくさんある。
独自の文化が醸成されているがためにあらゆる部分で融通が利く場面も多く、何よりアットホームな雰囲気で職員室内はわりかし和やかで平和な環境が保たれている(ように個人的には感じる)。
ただ、時代は常に流れゆくものであり、特に昨今は激動ともいえる変革が教育界全体で起こり始めている。そんな中、いつまでも内側に閉じこもって鎖国ならぬ鎖校をしていてはいけない。今は世界の潮流にうまく乗っかるべき時なのだ。
例え多少居心地が悪くなり、ギクシャクする雰囲気が発生したとしても、荒療治的に外の空気を取り込んでいかなければ、淀んで腐敗した空気によって内部からじわじわと破滅へと向かっていくのは目に見えている。そんな緩慢な死を迎えるくらいなら、果敢に挑戦し、あがきたいというものだ。
ただ取り込めばいいってわけじゃない
そんな中、先進校の取り組みや書籍・研修会などで得た知見、地域住民や外部機関の人々の意見など、ともかく手当たり次第に取り込んでいけばいいかと言えば、そうではないだろう。基本的には「ヨソはヨソ、ウチはウチ」なわけである。他人の成功要因が、そのままそっくり自校に適用できるかと言えば、必ずしもそうとは限らない。
もちろん、やってみなければ分からないわけだが、やらずともある程度は予測を立てられるのが人間の英知でもある。余所者の甘言にそそのかされ、あまつさえいいように利用されて踊らされた結果、大敗を喫するとなれば立つ瀬もあるまい。
結局は自分たちの現状に即したローカライズが必要なわけで、それを怠って輸入してしまえば原住人からの不興を買うこと請け合いである。せっかく素晴らしい製品であっても、受け入れられなければ元も子もない。需要に応じて適切に商品を差し出すのは商売の鉄則である。高品質の製品が必ずしも日の目を浴びることが無いという不可解な現象を現実の社会でもよく目にするのだが、その裏にはこうしたメカニズムが働いている。
というわけで、外部から何かを取り込もうとする際には、具体的な事例から本質的な部分を引っこ抜き、自分たちの現状に合うような改変を施す必要性が出てくる。
そこで求められるのは、取り込もうとしている知見についての正確な知識と、具体事例から抽象的要因を適切に引っこ抜いてくるだけの鋭い分析力。そして、今自分が属している集団が何を欲し、どこまでの変化を望み、そして実際にどこまでを受け入れる余力があるのかを適切に見極めるだけの観察眼である。つまり、後者には集団の内幕に入り込むだけのコミュニケーション力も求められる。なんとも骨の折れることよ。
大変だけど、やるしかない
自分が共感を覚え、気に入った取り組みはどうしても直輸入したくなってしまうのが人間というものだろう。ただ、一冊の本に100%共感して心を許してしまうのが危険であることと同じように、そのやり方をそのままそっくり持ち込むことは結構な危険が伴うことを知っておきたい。
じゃあ取り込まない方が良いかというと、そうではない。やらなければ死。でも、しっかりと根回しをしなければ容易には進めない。これはなかなかの葛藤である。
大切なのは手順を誤ることなく、断固たる決意で突き進むこと。諦めたらそこで終りである。

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