【目次】
生徒と直接関わるまでに済ませなければならないあれこれ
ここにきて事務作業が立て込んできている。
教員は生徒と共に教室で楽しく会話したり、授業に明け暮れたりという一般的なイメージとは裏腹に、職員室内での事務作業が業務の大半を占めると言える。
生徒の提出した課題や記録の点検・テストの作成といった、まだ割りかし教員らしい仕事はもちろんのこと、成績処理・保護者向けの通信作成・外部模試の発送作業・依頼されたアンケートの集計作業・出版社や大学の営業への対応・部活動やクラス関係の会計処理や報告書、および各種申請書類の作成からの管理職への許可回り……等々。数え上げればキリがない。
下手をすれば教材研究の時間すらままならないわけで、いかにしてこれらの事務作業を効率よく、労少なくして処理できるのかが肝要となってくる。
生徒と楽しくコミュニケーションを取るまでに済ませておきたいあれこれ
そして、それらをクリアしてようやく、ドラマのように生徒との楽しいコミュニケーションを取るために教室へ足を運ぶことができるようになる。
とういうものの、年度始めは猫を被っていた生徒たちが隠していた様々な問題点がぼちぼち浮かび上がってくるのがこの時期だ。そうした生徒のフォローに回らねばならないため、あまりキャッキャしてもいられなかったりする。成績不振者に対してはモチベーションを高めるべく面談を重ねる必要もあり、そこにも結構な労力と時間を要する。2年の担任をしているが、さすがは「中だるみ」の学年、結構なだらけ具合である。お尻を叩く手が二本では到底足りない。面談のスキルを高めていかねばなるまい。
色々な人に対する済まない気持ちあれこれ
それだけ色々なことをしていくことを考えると、到底一人の力では全てを完璧にこなすことは叶わない。最近は色々な人に仕事を丸投げすることで何とか仕事を回している状態である。本当にありがたく、そして同じくらいに申し訳ない気持ちである。このままでは仕事丸投げの負の連鎖が起こってしまうので、早いうちに手を打たねばなるまい。業務の効率化はもとより、根本的に不要な仕事を消滅させていく必要もあるだろう。こちらも勉強していかねばならない。
教え子が教育実習生として来ているため、そちらにも関わっていきたいのだけれども、なかなかその時間が取れないのも忍びないところである。折角来ているのだから、何かと話をしていきたいのだが……。なかなかままならぬものだ。
「ごめん」で済めば教員はいらない
なんやかんや言っても、結局は自分の手足や脳みそを絶え間なく動かしてやっていかなければ何も変わらない。
「多忙」を理由にすればある程度のことは許してもらえるかもしれない。事実、時代の流れは学校現場の多忙に対する理解を示してくれつつある。効果の程は分からないけれども、あらゆる部分で「働き方改革」も動いているのも確かだ。しかし、効果が表れるには確実にタイムラグが存在するわけで、今現在目の前で起こっている困難が一瞬で雲散霧消することなんてありえない。しばらくはこの多忙さはどうしようもないものとして付きまとってくるのだろう。
ただ、生徒には教員の多忙さだとか、そんなことは関係ない。彼らの人生は常に前に向かって進み続けているわけで、そこには「待った」は通用しない。
となれば、やはりなんとかしていくしかないのだろう。「これから数年間は過渡期かつ混迷期だから許してね☆」なんてことは言えない。この鉄壁のディフェンスを突破するだけのオフェンス力を身につけるのが目下の課題になってくるのだろう。特訓あるのみである。