ネコとコーラと国語と私

私立高校勤務の国語教師が感じた教育に関するあれこれ。あとたまにネコとかコーラとか。

【授業実践】ライティングワークショップのカンファランスの記録にTrelloを使ったら結構いい感じだった

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毎日雑記ばかり上げているのでかなり薄れてしまっていますが、こう見えて私、実は私立高校で国語教師をしています。なので、たまには授業の実践を備忘録的に書いてみたりもするわけです。

 

 

今回のタイトルはあらゆる要素を無理矢理詰め込んだ感が凄い。一つずつ説明していきます。

 

【目次】

 

 

ライティングワークショップを本格始動

 

「ライティングワークショップ」とは、ざっくりと説明すると、「『書く』ことに特化した授業」とでもいいましょうか。

恥ずかしながら、私はこれまでの国語教師生活で「書く力」の育成に十分に取り組めていませんでした。このままではいけないとあれこれ悩んでいたところに、運よくワークショップに力を入れている先生の授業を見学する機会に恵まれ、それ以降すっかりこの授業の可能性に魅了されてしまい、あれこれと準備を進めてきたわけです。

 

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思えば、あの授業見学の機会を得ることができて本当に良かった。あの研修に参加をしていなかったら、私はライティングワークショップ(とリーディングワークショップ)に出会っていなかったかもしれない。巡り合わせに感謝。

ということで、しばらくは情報収集とシミュレーションに力を入れていたわけですが、いよいよ機も熟したとばかりに、この三月から高校一年生の授業で試行錯誤しながら実施しているというわけです。考査も全て済んだので、週三時間、思う存分やっています。

 

現在数回行っていますが、生徒たちの反応は概ね好評。

「書き始めると楽しくなり、ついつい没頭して時間を忘れてしまった」

「もっとこんな授業をしてほしい」

「やればやるほど書けるようになって、自信がついた」

といった感想が多く、うまくいくか不安だった実施当初の心配をよそに、活気ある展開が継続できているように思います。

もちろん、「書けない」「何を書いたらいいかわからない」という生徒もいますが、「つまらない、やりたくない」という生徒は今のところいません。

 

ただ、ここが落とし穴でもあるわけで、決して油断することはできません。

というのも、「楽しい」だけで終わってしまうと、それは単なる教員の自己満足になりかねません。そこに何の学びも成長も無ければ、それはただの「思い出づくり」的な授業で終わってしまうわけです。

学期末の授業評価アンケートで高評価を得たいのならば、やることは至って簡単。生徒の負荷を抑えて、楽しめるようなイベントを組み込めばいいわけです。実際、私も初任の頃はその辺りを少し勘違いしており、「生徒が楽しんでいる=いい授業」と単純に考えていた節がありました。

現在は、「楽しみながらも確かな成長がある」そんな授業デザインを目指して日々奮闘中。これがなかなかに難しい。精進あるのみですね。このワークショップも、自己満足で終わらないように気を付けたいところです。

 

 

カンファランスの難しさ

 

ワークショップのスタイルとしては、オーソドックスに「ミニレッスン→書く時間(およびカンファランス)→共有・振り返り」という手順で進めているのですが、カンファランス(個々の生徒への助言)が非常に難しい。

一所懸命書いている生徒に声をかけることがためらわれてしまう、というところから始まり、いざ声をかけても結局は無難なやり取りで終わってしまうことも多く、毎回自分の力不足を実感します。

経験不足ということもあるわけですが、やはりそれ以前に教師側の入念な準備と豊富な予備知識が求められる部分が大きく、ハードルの高さを感じています。生徒のその場の反応に応じて適切な返答をする、といういわゆる「アドリブ力」は私が苦手とするところ。でもそんなことも言ってられないですね。

 

記録をどうしようか

 

現在取り組んでいるクラスは33名の在籍。多過ぎず少な過ぎず、そこそこの人数です。

自分の貧弱な記憶力では、生徒一人一人の状況やカンファランスでのやり取りを覚えておくことは不可能に近く、何か記録を工夫せねばと試行錯誤を重ねる日々を送っています。その場その瞬間で記録しておかないと、高確率で「あれ、何話したっけ」となってしまいます。脳細胞の衰えをひしひしと感じる今日この頃。

そんな中、現在「Trello」を用いた記録に辿りついたわけですが、これがなかなかしっくりときているので、しばらくは続けてみようと思います。

 

trello.com

 

Trelloの優れている点

 

現在は、「ライティングワークショップ カンファランス」というボードを作成し、そこに33名分の個人名を書いたリストを並べ、そこにカンファランスでのやり取りや生徒の様子を見ていて気付いたことなどをカードとして追加していく、というやり方をとっています。

(最初にボードとリストを作成した後は、ボードごとコピーしておくと使い回しが効いて便利)

 

 

①動作が軽い 

最初はEverenoteを使おうかとも思ったのですが、いかんせん動作がもっさりしているので地味にストレスが溜まるのが難点。それさえなければかなり便利なのですが……。非常に惜しいところです。

一方Trelloはかなりサクサク動くため、限られた時間で複数の生徒を捌きながら記録をとらねばならないスピード感にも十分対応可能。UI(ユーザインターフェース)の快適さは正義。

  

②一覧性に優れる

これが一番の利点かもしれない。

33名とやり取りを重ねていくと、気を付けていないとどうしてもカンファランスの回数に偏りが出てきてしまいます。こちらとしてはなるべく満遍なくカンファランスをして回りたいため、「誰と、どのぐらい話したのか」をパッと見で把握できる一覧性の良さはかなり大事。それを考えるとTrelloはリスト(個人名)が横並びで連なり、その下にカードが時系列で並んでいく、というスタイルをとっているため、非常に視認性がよろしい。また、画面を一切切り替える必要が無く、全ての生徒の管理が同一ボード内で完結するのも非常に便利です。

 

③カードでの記録があらゆるところで融通が利く

カードはいつそれを追加したのかが自動で記録されるため、いちいち日付を入力する必要はありません。また、カードは任意の順番に並べ替えることができるため(個人のリスト内はもちろん、他のリスト間でも手軽に移動や複製が可能)、状況に応じて柔軟に編集することが可能です。

 現在は、「よくある悩み」リストを作成し、その都度カードをコピーしながら蓄積させています。これによって自分の中にカンファランスで使えるQ&Aを体系化させようという目論み。こうしたことを積み重ねて、カンファランス力を上げていくことができればよいのですが……。

 

 

 あらゆるところで使えるツール「Trello」

 

という感じで、「Trello」は使い手の工夫と発想次第であらゆる融通が利く、とても便利なツールだと思います。

現在は、「担任クラス生徒の所見」「授業改善案」「学校改革案」「読書メモ」「話題メモ」などなど、あらゆる場面での記録や思考整理のツールとして活用しています。他の人との共有も簡単にできるため、プロジェクトの進捗状況やTo Doの共有もでき、上手く活用すれば、かなりの業務効率化に貢献するはずです。

今後もあらゆるところで活用させていくと同時に、どんどん周囲へ普及させていきたいツールの一つです。

 

クラウドを利用したメモサービスで考えれば、Trello以外にも、Evernoteやgooglekeep、スプレッドシートという選択肢もありますが、どれも一長一短。

TPOに応じて使いこなせるように、これからも修行していきたいと思います。