【目次】
新年度が始まって結構経つのですが、今更あれこれとクラス教室の模様替えをしています。
本当は始業式に生徒が登校してくる前にやりたかったのですが、担任発表より前に勝手に教室に手を加えることができないため(クラス担任が変わったことがバレてしまう)、後回しに。そしたら案の定と言うか何と言うか、年度初めの多忙の渦に巻き込まれ、ようやく今になって余裕が出てきた、というパターン。
個別のプリント配布は、全て個々人のレターボックスへ集約
今回は、教室内にレターケースを並べた上で、生徒一人に一段を割り当てた「簡易版の個人レターボックス」を導入してみました。
ナカバヤシ A4レターケース 書類入れ 仕切板対応 C6段 ブラック A4E-SC6B
- 出版社/メーカー: ナカバヤシ(Nakabayashi)
- 発売日: 2011/08/29
- メディア: オフィス用品
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引き出しが人数分になるようレターケースを並べた上で、引き出し一つ一つに生徒名を印字したシールを張り付けて完成。
設置の目的は以下の二点。
①毎日各教科から課される学習課題(日々題)の返却の効率化
2年生になり、課題の量もどんどん増えています(正直、それもどうなのかと思うわけですが)。複数科目の課題プリントを毎日返却しなければならないわけですが、量が多くてかなりの手間です。教科連絡の係を中心に、終礼時にみんなで慌ただしく誰がどこに座っているのかを確認しながらあたふたする様は、どう考えても効率的ではありません。
※これに関しては、プリントに【自分の席は、廊下から数えて( )列目】のような項目を付け加えるだけで、随分と利便性がよくなります。詳しくは次の記事を参照あれ。
この現状を打破すべく、「返却された課題は個人のレターボックスにまとめて突っ込んで本人に取りに来てもらおう」という結論に至ったわけです。「その人に届ける」のではなく、「その人にまとめて取りに来てもらう」という発想の転換。
これならば係の生徒の負担も軽減でき、「前列の生徒が後ろにプリントを回しそびれて本人の手元に届かない」というトラブルも回避することが可能になります。
②欠席者や不在者のプリントを職員室に持って帰る手間を省く
プリントを配布・返却する際に不在の生徒がいれば、やはりこのレターケースにどんどん突っ込んでおきます。そうすれば教師がいつまでも手元にそのプリントを保存しておく必要が無くなり、教卓周辺や職員室のデスクを圧迫することも無くなります。
欠席していた生徒も、元気になって登校してきたその日に自分の引き出しを確認すれば、自分の不在時にどんなプリントが配布されていたのかを即座に、網羅的に確認することが簡単にできます。
導入時の注意点
①プライバシーの考え方をしっかりと教える
「勝手に他人のボックスを覗かない」ということをまずはしっかりと教え込むべきでしょう。他人のプライバシーに配慮するということは、社会人の、いや、人間としての常識です。(もちろん、引き出しにプリント類を入れるときは別です。)
②設置場所はよく考える
ただ置けばいいというわけではなく、生徒の動線や使用するであろう状況を十分にシミュレーションし、最適の場所に設置するのが理想です。
今回は、「教室を訪れる多くの教員に気軽に利用して欲しい」ということ、「生徒が下校する時に必ず教室前方のドアから出ていく」ということなどを考慮し、教室前方に設置をしました。アクセスが悪いとただの物置と化してしまい、教室のスペースを無駄に圧迫するだけになってしまう未来が見えました。
気が散る生徒もいるため、あまり教室前方には物を置きたくないのですが、ここは利便性を優先することに。
③利便性を伝え、積極的に活用させる
何事も、使用条件を厳しくすると工夫の余地が損なわれてしまいます。
基本的な考え方と使用例をいくつか伝えた後は、自由な発想を妨げないよう、生徒が主体的に使えるようにしてあげたいところ。交換日記のやりとりに使うもよし、ラブレターを入れるもよし。ネットの時代だからこそ、紙媒体でのやりとりを積極的に促してみても面白いかもしれません。
④定期的に自分のボックスを確認する癖をつけさせる
これは大人になって社会に出てからも大切になる考え方です。
少なくとも下校時には必ず空にして帰らせたいところです。絶対に溜め込む生徒が出てくるのは目に見えていますから。
そうしたことを考えれば、情報に定期的にアクセスすることの重要性をしっかりと教え、習慣化の訓練をさせるには結構うってつけの装置ではないかと、我ながら思ったりもします。
準備は完了。さて、どうなるか?
とりあえず導入してみましたが、これがうまく機能するかどうかはやってみなければ分かりません。「教員だけでなく、生徒も楽ができる」という理念を考えれば、生徒も歓迎して有効活用してくれるだろうと楽観的に考えていますが、そううまく事が運ばないことがままあるのが教育現場の恐ろしい(もとい、面白い)ところです。
しばらくは様子を見てみます。うまく運用できた折には、また報告の記事を上げるかもしれません。