ネコとコーラと国語と私

私立高校勤務の国語教師が感じた教育に関するあれこれ。あとたまにネコとかコーラとか。ブログ毎日更新中。

これからの激しい競争の中で生き残る「学校」の条件とは? ――乱立する「美容院」に学ぶ生存の術

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何故か恒例になりつつある散髪記事。

 

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本日は43日ぶり3回目の投稿となります。

こうしてしっかりと振り返ってみると、まぁまぁ定期的に散髪をしていることに気付きます。だからなんだという話ですが。

そんなライフログはさておき、本題に入ります。

 

【目次】

 

 

乱立する美容院

 

私が現在住んでいるのは、県の中心地からは遠く離れた田舎町なのですが、それでもやはり美容院や床屋の数はとても多い気がします。定期的に新規店舗がオープンしており、気づけばどんどん数が多くなっている。

中心部に行けばその傾向はさらに顕著になります。大学生時は県庁所在の中心部に住んでいたわけですが、もはや半径数十メートル単位で美容院がひしめき合っており、その絶対数はコンビニを遥かに凌駕していました。都会に行けば、もはやどこにいようとも視界に必ず一つは美容院があるのではなかろうか(想像)。

 

 

生き残りをかけたシビアな戦い

 

もちろん、そんな状況なわけですから一度オープンしたらそれで安心できるわけもなく、そこからの生き残りをかけた熾烈な競争に晒されます。

いくら人類の髪の毛が恒久的に伸び続けるものであり、散髪と生活とが切っても切れない関係にあるとはいえ、絶対数には限りがあるわけで、そこにはパイの奪い合いが発生します。そのために、それぞれの美容院ではお店の外観・内装に始まり、各種サービスの細分化や料金体系の工夫、ポイント制度の導入など、あらゆる部分で他店との差別化を図るべく、独自のカラーを打ち出そうとします。

そんな美容院側の工夫に対し、客側は自分の好みや嗜好に応じて「行きつけ」を決めていく、というのが一般的な流れになろうかと思います。そして、最後の一押しは人それぞれの決め手があるはずで、自分と感性が近い雰囲気の店を選んだり、とにかく料金が安いところを選んだり、自宅や職場から近いところを選んだり、美容師の腕がいい(自分の理想通りのスタイリングをしてくれる、あるいは自分が気に入るような新たな提案をしてくれる)ところを選んだりと、その好みの傾向は結構多岐に渡っているように思います。

お店の側が生き残るためにはそうした客層の分析は必須であるはずで、これは傍目から見ても「リサーチが大変なのだろうなぁ」としみじみ感じるところです。

 

 

「学校」とて他人事ではない

 

とか言いながら、これは別に美容院に限った話ではなく、学校でも同じことが言えます。学校はそれぞれの独自の強みを打ち出すことで、自校に入学してもらえるように周囲に積極的にアピールをしていかなければなりません。

このご時世、「教育」も立派な商品です。数少ない子どもやその保護者が自分の好みに応じて複数の選択肢の中から選びとり、そこにお金を払うわけですから、自ずとそこには主観的な好みが多分に反映されるわけで、各々の学校内部で行われる教育内容についてはシビアな目線でのチェックが入っています。殿様商売的な感覚で一昔前の常識に胡坐をかいているような私学は、あっという間にそっぽを向かれてしまうでしょう。美容院以上に激しいパイの奪い合いが発生している業界であるとも言えます。

 

 

最後の決め手は……

 

私の個人的な感覚として、最後の決め手となるのはそこにいる人間の「人柄」だと思います。

その美容院がどんなに格安料金でカットをしてくれようとも、どんなに凝った内装をしており、上等な機器を使用していようとも、何ならどんなに腕が立つ美容師であっても、そこに一人間としての「誠実さ」が無いと、もうそのお店には行く気が無くなってしまいます。

別に「お客様」として扱って欲しいとか、そういうことでは全然なく、ふとした場面での気遣いであったりとか、こちらの反応を丁寧に見た上で意を汲んだ言動をしてくれたりとか、ともかくこう技術以前の「人柄」の部分に私は惚れる傾向があるのです。

 

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そんなわけですから、教育とて同じことだ、という思いは強くあります。

どんなに多くの経験を積んでいようとも、どんなに授業が分かりやすくても、どんなに先進的な取り組みを行っていようとも、「教育」という活動がコミュニケーションを元に成り立つものである以上、他者(生徒や保護者、なんなら同僚も含む)への誠実さは必要条件として備えておきたい。

 

決して情動にかられてこんなことを言っているわけではなく、現実問題として「口コミ」で評判になりやすいのは「教員の人柄」や「居心地の良い学校の雰囲気」といった部分が大きいように観察されます。

もちろん、地域の特性や風土特有の価値観みたいなものはあるので、必ずしもそれが絶対だとは限りません。ただ、勤務校周辺ではその傾向は割と強いように感じるところです。もちろん、人柄や雰囲気だけが先行して実績がおざなりになっては絶対にいけないわけですから、その辺りは勘違いしてはいけない。実績第一の評価を下す家庭も相当数存在します。

 

ともあれ、生き残るために周囲の評価も適切にリサーチしていかなければならないし、極端な方向性のみに注力して一辺倒になることの無いように気をつけなければいけないのは確かだと思います。

 

今回はそんなことを考えながら髪を切ってもらいました。実にさっぱり、これからの猛暑も乗り越えられそうです。

次の散髪は、夏の終わりごろですかね。