本日は地域のお祭りに行ってきました。補導員として。
【補導員】とでかでかと書かれた黄色い腕章をつけ、雑踏をかき分けながら二時間弱見回る。うん、全然楽しくない。
その場にいる全員がこの祭りを楽しもうと意気揚々としているところに【補導員】と書かれた腕章を携えたおじさんたちがうろうろしているわけですから、場違いも甚だしい。なもんだから、物珍しさもあってか老若男女問わずすれ違うほとんどの人がこちらを見てきます。
そんなとんでもない注目度の中、祭りの喧騒の中を練り歩くわけです。歓迎されず、でも注目だけは浴びるという疫病神の神輿とでも言わんばかりの悲しき役回り。人生でこれほどに虚しい祭りがあっただろうか。
そんな中、友達と楽しそうに屋台巡りをしていたり、祭りのステージに出ていたりと、学校では見られない生き生きとした生徒の姿を見ることができるのは面白いところです。
というか、むしろ顔見知りを探すことくらいしかやることはありません。本来の目的であるはずの非行少年少女を正しく導くという崇高な使命は小さく縮こまっていたりもします。いや、もちろん非行の現場を目撃したら、声掛けなどの必要な手立てはしっかりと講じますけれどもね。ちゃんとお手当もいただけるため、その分の仕事は全うします。
私自身が少年だった頃は、「お祭りにわざわざ補導にきているおじさんって、一体どんなこと考えてやってるんだろう」と冷ややかな視線を送っていたわけですが、おい少年よ、こんな気持ちなのだ。君もあと十数年すればこの気持ちが分かる。
この祭りの安寧は我々が守るから、善良な少年少女は夏の宵闇に溶け込むお祭りの余韻を存分に味わうがよろしい。