ネコとコーラと国語と私

私立高校勤務の国語教師が感じた教育に関するあれこれ。あとたまにネコとかコーラとか。ブログ毎日更新中。

どうせやるのなら、学校行事とリンクさせた授業をデザインしたい

f:id:yasuteru24:20190630011158j:plain

 

一旦作ったテストの微調整を続ける日々。

せっかく作るのなら、ただノルマをこなすだけの問題で終わるのではなく、なるべく意味のあるものにしたいところです。

 

となると、当たり前のことだけれども、定期考査については授業計画を立てる段階からはある程度の見通しを持って動いていかないと、途端に手詰まりになってしまいかねません。授業では知識ではなく、「能力」を中心に向上させようとしているわけなので、テストにおいてもただ単に知識を問うだけでなく、何らかの能力を問う問題にしたいところです。

 

 

授業外との「繋がり」を意識する

 

そんなわけで最近は特に、一つ一つの活動の「繋がり」を意識するようになった気がします。

 

例えば、山月記では「強い言葉の作り方」について触れたため、その後はキャッチコピー作成の活動を取り入れました。

 

www.yasuteru24.com

 

実はこの活動は、毎年この時期になると生徒会より「学校のイベントを盛り上げるキャッチコピー」案の提出が各クラスに要請されるので、その話し合いを円滑に進めることを睨んでのことでもありました。

本校は4桁近くの生徒が在籍しているにもかかわらず、こうした募集に対して知恵を絞ろうと動いてくれる生徒はほんの一握りしかいないというのが現状です。ただ、それはやる気の問題ということよりも、「いきなりキャッチコピー作れって言われたって無理じゃね?」的な、「どしたらよいか分からない」といった部分に依るところが大きいわけです。そりゃそうだ、私だっていきなりそんなこと言われたら尻込みしてしまいます。

「だったら国語の授業である程度のノウハウを学ばせてやろうじゃん」というのが、現段階での私としての結論。そこに「山月記」も巻き込んで、一連の活動が無駄なく、一つの線で結べるようにデザインをしてみたところです。

 

 

ただ漫然と「授業のための授業」をしていても生徒のモチベーションは上がらないし、授業において主体的な活動を促したところで、それによって身についた力を発揮・実感する場を設定できなければせっかくの授業の成果も半減されてしまいかねません。

社会とのシームレスな授業が理想ではあるけれど、なかなかそれは難しいところがあるため、まずは学校行事との地続きを目指していく、というスタイルでやってみているところです。

 

 

予断を許さぬ今後の予定

 

長期休みに読書をしてもらうことを促す意味でも、夏休み前には図書室でのリーディングワークショップを行いたいところです。ただ単に「夏休みは図書室で本をたくさん借りて読書をするんだよ~」と言ったところで、実際に図書室に足を運ぶのは元々から本好きであるごく一部の生徒のみになるのは目に見えています。

(ちなみに、昨年度彼らが一年生の時には、入学直後に図書室でのリーディングワークショップを実施しましたが、もちろんこれは図書室の場所を知ってもらうと共に、高校生活を送る中で有効活用できる資源が図書室にあるのかをいち早く知らせておきたかったという意図がありました。)

 

www.yasuteru24.com

 

二学期には生徒総会があるため、その前に建設的な議論の在り方について、国語的な観点から触れておきたいし、その後は生徒会役員選挙があるためその前に演説やスピーチについての授業をしておきたいところです。

 

 

ともかくそんな感じで、「今この授業でやっていることは、教室の外にも繋がっている」ということを生徒達には是非とも実感してもらいたいので、タイミングを慎重に測りながら、適切な時期に適切な授業ができるよう、日々行事予定表とにらめっこをしています。

そんなわけで、もはや「学期ごとに」とかのレベルではなく、年間を通じて大まかな授業計画を立てていかねばならなくなってしまっています(更に言えば3年間を通じた計画が理想的)。ある程度融通を利かせやすい授業とは異なって学校行事の方は時期をずらすことはできないため、「いつ、どんな授業をするのか」ということについては結構シビアなスケジューリングが求められます。

 

いや、別にこれって当たり前なことなんですよね。「シラバス」ってそういうことによって作られるわけですし、人によっては「何を今更」なことなのでしょう。

ただ、これまではそこまでの具体的な見通しを立てることができていなかった私としては、今がまさに踏ん張りどころです。一刻も早く感覚を掴んでおきたいところ。

 

 

予定を狂わせる天災・人災の数々

 

そこまでして完璧な計画を立てたにもかかわらず、突発的に行事予定が変更になったり、行事その他で授業が潰れたりした日には、それはもう発狂しかけるほどのショックを受けます。

これからの時期は大雨、台風が怖いところ。最近は刃物を持った不審者のせいで学校を早く閉じるような騒動にも見舞われたりと、本当に何が起こるか分からないのが怖いところです。

 

そんなところもリンクしながら世の中は目まぐるしく動いているんだなぁということをしみじみ感じる、今日この頃なのでした。