あっという間にお盆休みも最終日となってしまった。まだまだやりたいことがあったというのに、残念な限り。
「とりあえず」の宿題からの脱却を
この連休中に生徒には「宿題」を課しているけれども、例年のことながら長期休暇での宿題の取り組み状況はそこまで良くは無い。もちろん、真面目に取り組み、課題に取り組んだ経験とそこで学んだ知識とを自身の血肉と成してくれる生徒も一定数はいる。ただその一方で、ただただ空白を埋めることに腐心するあまり、不明点を懸命に考えたり、自分の力で調べ学習を行ったりすることのない、いわゆる「提出するための宿題」に終始している生徒の方が多いことは明らかだ。下手をすると、全く手を付けずに「やったけど忘れました」をごり押しすることで、宿題の提出義務が風化するのをじっと待つような者も出現しかねない。長期休み明けは彼らとの仁義なき戦いが幕を開ける。
現在の高校生はPBLやらポートフォリオやら、従来の高校生にはそこまで必要ではなかった活動を強いられており、単純にこれまでの高校生と比べれば日々の活動にかかる負担は増加している。「足した分は必ず引く」が鉄則であり、これだけ大人の「働き方改革」が叫ばれているのだから、生徒にとってもその考え方は適応させてあげなければならないだろう。ただただすべきことを増やすだけでは、生徒の方がパンクしてしまう。学校側がトータルのバランスを考慮した上で、適切な分量を生徒に下ろしてあげなければならない。
「宿題」とて同じことで、現状に即して「宿題」の在り方を捉え直していかなければ、生徒の負担を増すだけとなり、結果としてこちらの意図したものとは逆の効果を生み出しかねない。
一斉に変えなければ効果は薄い
この休みで色々と考えてみたのだけれども、やはりこれは個人だけの取り組みでは効果が薄いように思える。いくら一つの科目が宿題の在り方を改めたところで、その他大勢が変わらなければ殆ど意味は無く、それどころか生徒にも無用な混乱を招きかねない。
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各々の科目の担当者は、それぞれの信念を持っているだろうから、まずはそこで意見を擦り合わせ、統一の見解でもって進めていくのが一番効果的なのだろう。簡単なようで、これがなかなかに難しい。科目の特性の違いや、勤務年数の差によって「正義」がバラバラであることは、宿題に限った話ではなくそう珍しいことではない。やはりカギを握るのは話し合いによる意思の統一である。
とりあえず明日からはまた出勤なので、そうした機会をどこかで持てるように働きかけていきたいところである。