本日は生徒の募集活動をするために近隣の中学校の訪問をしてきました。
高校の教員自らがこうして募集活動をしていることは結構意外なようで、中学校の先生たちにはいつも驚かれます。自分たちで生徒を集めなければならない私立ならではの活動です。
丁寧な対応のありがたさが身に染みる
いくらアポを取っているとはいえ、中学校側にしてみたら突然乗り込んできた部外者なわけですから、あまりいい顔をされなかったりします。そりゃそうだ、中学校の先生たちも自分たちの仕事が忙しいわけで、こんな得体の知れない我々のために時間を割く義理はないわけです。
そんな中、丁寧に話を聞いてくれ、こちらの労を労ってくれるような先生に巡り会えた時の感動といったらないわけです。中には教頭先生や校長先生といった管理職の先生自らが対応してくださることもあり、本当にありがたい限り。
自分の勤務校にも大学や専門学校の広報の方、あるいは各種出版社の営業の方がやってきますが、他ならぬ自分自身がよその学校に飛び込んでいく経験を積んできた今となっては、そんな方々を邪険に扱うことなどとてもできません。
丁寧に対応してもらうありがたさ、あるいはつっけんどんに対応される辛さを身に染みて実感しているからこそ、自分が対応する側に回った時にはなるべくおもてなしをしてあげようという気持ちが働きます。単身で学校に乗り込んでくる緊張や後ろめたさは痛いほどに分かります。やらねばならぬからやってきているわけであり、そこには彼らなりの切実な思いが存在するわけです。ただ自分の仕事を邪魔されたと考えるのではなく、その意をくみ取る気持ちは本当に大切。そんな「お互いさま」の気持ちを持てるようになったのは大きいかなと感じます。
否が応にもプレゼン力が鍛えられる
そんな「相手にとっての迷惑」を前提に行動するわけで、訪問する側には自ずと「いかにして手短に、要点をかいつまんで説明できるのか」という意識が働きます。これは実践の場におけるプレゼン力の養成にも繋がり、授業で生徒たちにプレゼンテーションの話をする時にも役立ったりします。
やはり実践に勝る練習は無いわけで、これは学校に閉じこもっていてはなかなか気づかない部分が大きいように感じます。相手のリアルな反応に応じて前もって準備してきた内容を取捨選択し、なるべく最大の効果を上げるべく話を組み立てていく。授業とはまた違った力が鍛えられます。
知識や論理だけではなく、そうした生きた経験から生徒たちにプレゼン力の大切さについて語ることができるのはとても大きい。
全ては自分の生活のため
私立学校は生徒を多く入学させないことには経営が成り立たないわけですから、この募集活動はまさに生命線と言えます。いくら授業力を鍛えたって、肝心の生徒がいなければそれはほとんど無意味。なんといってもまずは生徒をかき集めなければお話になりません。そして、この少子化のご時世、それがいかに難しいかを我々は実感しながら日々中学校の先生方に営業活動にも近い地道な話をしていくわけです。
だからこそ、わざわざ自校を選択してくれた生徒やその保護者の期待に応えるべく、少しでも満足のいく授業をしたいし、少しでも快適な学校生活を送れるように学校をよりよく改革したい。毎回そんな思いを強めます。
いよいよ今年も始まった生徒募集。正直授業やその他業務に穴をあけて外に出でていくのは望むところではありませんが、逆に考えれば学校に閉じこもっていては気づけない多くのことを知るいい機会です。
そんな感じでなるべく前向きに考えながら頑張っていくしかありません。