【目次】
私が高校生の頃は、紙の辞書派と電子辞書派が半々だった印象ですが、最近は電子辞書がかなりの優勢のように感じます。思えば、私も高校生の頃はカシオの電子辞書を愛用していた口で、高校を卒業してからもその電子辞書をかれこれ十年以上使い倒していました。授業に持ち運ぶ中で、五回ほど落下させたらさすがに壊れてしまいましたが、そうでなればまだ使い続けていたかもしれません。高校の授業はもちろんのこと、大学での論文執筆時や教員としての教材研究の時など、あらゆる場面で大活躍してくれた一台でした。
最近の機種は収録辞書数もかなり増え、カラー表示対応や音声データの搭載、ペン入力可能など、かなり高機能化している印象。順当な進化を遂げているように思います。
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「紙の辞書 vs 電子辞書」という今なお続く対立
これは電子辞書が登場した時から根強く残り続けている対立構造でしょう。これだけ長く決着がつかないということは、それほどこの両者が一長一短で甲乙つけがたい良さがあることの証左であるわけです。きっとこれからも長らくこの対立は続いていくのでしょう。
ただ、技術革新によって弱点を克服する可能性を秘めている電子辞書に比べると、これ以上の発展の余地が無い紙の辞書がやや不利と言ったところでしょうか。「あらゆる情報の電子化」という時代の流れは最早止められませんから、そのこともこの対立の決着点を暗示しているようにも思えます。個人的には、どちらの良さもかけがえのないものであると感じているのですが……。
「辞書アプリ」という第三勢力
さて、そんな中スマートフォンの普及に伴い、急速に勢力を伸ばしているのが「辞書アプリ」です。実は私も結構前から愛用しています。
初めて購入したのは、9年ほど前にiPod touchにインストールした「大辞林」でした。
当時はあんなに小さな端末に辞書が丸ごと入ってしまうことに感動を覚えたものでした。それ以降も、三省堂の類語辞典を入れるなど、長らくの間辞書アプリを愛用しています。
最近では、DONGURIという教育に特化した辞書アプリ内で、大修館書店の「新全訳古語辞典」が購入できることを知り、さっそく購入してみました。
まさに紙の辞書の書面そのままをタブレットで表示できるとあって、これはかなり重宝します。
【紙の辞書のレイアウト】
【実際のアプリ画面】
即時性と一覧性の両立。まさに紙と電子のいいとこどり。
これで教材研究もはかどります。
電子辞書との最大の違いは、「情報を肌身離さず身につけている」感覚
辞書アプリは、機能面でいえば電子辞書とほとんど変わることはないのですが、一番大きいのは「常に肌身離さず持っているスマホ(タブレット)の機能の一部として使える」というところでしょう。
特にスマホなどは現代人であれば必ずと言ってよいほど常時身につけているわけで、これは「調べたいと思った時にすぐ調べることができる」という最大のメリットを生み出します。人類が望んでいた知へのアクセス方法の、割と理想形に達しているのではと思うのです。
もちろん、こうしたアクセシビリティを最大に発揮するためには、そもそも「調べる癖」を養う必要があるわけですから、教育現場に導入するならばその辺りのフォローは必要になってきます。まぁ、これは紙の辞書の時代から変わりませんが。
また、デメリットもあるわけで、それは「スマホには余計な機能(誘惑)が満載であるため、気づけば全然違うことをしてしまっている」ということが挙げられるでしょう。
やはり辞書アプリにしても一長一短あるわけで、一概にこれが最強ともいえないのがまた何ともニクいところ。紙vs電子の抗争に終止符を打つどころか、第三の刺客として辞書界に更なる混乱をもたらしかねません。これは面白くなってきた。
いやぁ、それにしても恵まれた時代になったものです。まさか辞書をポケットに入れて、いつでも・どこでも調べることができるようになるとは。私としてはかなり大満足です。本を読みながら、テレビを見ながら、ぼーっと考え事をしながら、気になったことはすぐさまスマホやタブレットを取り出して調べるのが日常の一風景になりました。一日に数回は起動しているように思います。
また他の辞書なども積極的に導入して、あれこれと可能性を探っていこうと思います。