さて、たまには趣味のことも書いてみよう。
ネコの話? ネコは趣味じゃなくて人生ですから。
さて、タイトルに話を戻します。
【目次】
「仮面ライダー」というコンテンツ
この年にして仮面ライダーにハマる
皆さんの心の中にはどの仮面ライダーがいるでしょうか?
幼いころにタイムリーで見ていたライダーが、やはり一番馴染み深いのではないでしょうか?
私はというと、実は生まれてこの方30年、心の中に一度たりとも仮面ライダーはいませんでした。心の中は無人の荒野のごとく広漠としており、長らくヒーロー不在の人生を送ってきました。
それがどうか、30を過ぎて急に仮面ライダーにどハマりしました。
今の私の中にはジオウが、ゲイツが、そしてウォズがいる。そして最近はそこにしれっと電王も加わった。
そんな私だからこそ声を大にして主張したい。
「30過ぎても仮面ライダーにハマってもいいんだよ!」と、
「さあ、みんなで一緒に仮面ライダーになろう!」と。
連続ドラマなんかほとんど見ない私にとって、現在、唯一毎週続きを楽しみにしているテレビ番組です。
最初は本当に何気なく観ていたのですが、気づけばどっぷりとはまり込んでいました。
実は、劇場版も観に行きました。
「仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」
平成仮面ライダーについては、それぞれのライダーの名前くらいしか分からない私ですが、一切退屈することなく、作品冒頭からグイグイ引き込まれてしまい、大満足で劇場を後にすることができました。
平成仮面ライダーというコンテンツが長年かけて積み上げてきた集大成をそこに見たような気がします。
仮面ライダーシリーズを観たことのない私にもそれがひしひしと伝わってくるのだから、生粋のファンの方にはそれはもう相当な感慨があるのだろうなぁと羨ましくなりました。後半の非常に熱い展開の連続は、かなりグッと胸に来るものがありました。ここだけの話、こっそり泣いた。
作り手の愛や随所に込められた表現の工夫が光る力作。本当に多くの人に愛されたシリーズだったんだなというのが分かります。
観に行って良かったと思わせる何かかそこにありました。
コンテンツとしての魅力と、それぞれの楽しみ方
と、いう感じで、もうすっかり仮面ライダーに魅了され、毎週日曜日が楽しみになってしまっている私です。今朝もジオウをガッツリと視聴しました。
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ただ、一つ難点と言うか、困っていることがあります。
現在放送中の「仮面ライダージオウ」ですが、これは平成仮面ライダー20作目のアニバーサリー作品という位置づけであり、歴代の平成ライダーとのクロスオーバー的要素が多く出てきます。
歴代のレジェンドライダーの設定や人間関係などが結構頻繁に出てくるため、その辺りが初見では分からずに置いてけぼりを食らってしまうことが多々あります。
そんなもんだから、一通り視聴し終わった後に、ネットであれこれと調べて補完する。それがすっかり日曜日午前中のルーティーンに。それはそれで楽しいんですけどね。
さて、この仮面ライダーという作品群。子供向けの仮面をかぶっているものの、一皮むけばそこには大人の鑑賞にも十分耐えうるだけの硬派な作りになっています。
何と言っても、惹きつけるような話の組み立て方がうまい。
テーマについても、単なる勧善懲悪で終わらない深さや複雑な人間ドラマがあるため、ついついのめりこんで観てしまう。なにかこう、上質なサスペンスドラマを観ているような感覚。
「ほう……ここでこういう展開を持ってくるか……」とか、
「ここで終わるのはズルいわ―、めっちゃ続き気になるよ。こんなんじゃ来週も見たくなっちゃうじゃんかー」とか、
「ハイハイ、そんなこと言ってるけど、結局最後は助けに来ちゃうんだろ?」とか、
そんな感じで、毎週ワクワクしながらテレビの前で楽しんでいます。
また、映像としての見せ方も秀逸。
仮面ライダーのフォルムは、本来ならば日常の世界とそぐわない非日常的なものであるわけですが、その違和感を抱かせないような撮り方になっているのに気づいたときは思わず感心してしましました。
日常の中に、非日常のスーツやアイテムや敵キャラがうまく溶け込んでいます。特撮の魅力に少し気付けたように思います。
また、シリアスなパートと派手なアクションシーンのメリハリもしっかりと効いている。随所に光る演出やカメラワークは見ていて飽きさせないものになっています。
こんな感じで、正直「これって子どもは魅力を全部受け止め切れていなよな」と感じたりもするのですが、子どもは子どもで純粋に楽しみながら見ているんですよね、きっと。
大人目線であっても、「設定の妙」や「魅せ方の工夫」といった部分で楽しめる、ということに気付けたのは大きな収穫です。
こうした見方は、国語教師という一種の職業病的なところもあるかもしれません。でも、こんな感じで「作り手側の視点」から作品を楽しむのも、ある意味純粋な楽しみ方だと思うのですが、どうでしょう?
「平成」という時代を彩った魅力ある作品群
さて、映画を見ていて、「仮面ライダー電王」要素が強めであることに気づいたので、今はジオウと並行して電王をアマゾンプライムビデオで観ています。入ってて良かったプライム会員。
今や押しも押されもせぬ人気俳優、佐藤健が扮する主人公「野上良太郎」の底抜けな人の好さや、モモタロスの人情味あふれるキャラクターが愛おしくて仕方がない。
確か電王がリアルタイムで放映されていたのは私が大学生のころだったでしょうか。
当時を思い出すと、主題歌の「イイじゃん♪イイじゃん、スゲーじゃん♪」というキャッチャーなフレーズや、「俺、参上!」「最初からクライマックスだぜ!」といったセリフがネット上で人気だったなぁというくらい。
※ちなみに、この主題歌は今やすっかり出勤中のヘビーローテ―ション。ハイテンションな感じで、元気を貰えるとてもいい歌です。
シリアス要素の強いジオウと比べて、コメディタッチな電王はいい意味で肩の力を抜いて観ることができます。みんなが仲良く楽しそうで何より。
……と、思っていたのだけれども、20話を過ぎたあたりから、急に話が複雑になってきました。これは「ながら視聴」はもう限界か。
ただでさえ少ないプライベートタイムをさらに切り詰めていかなければならなくなりそうです。嬉しい悲鳴。
というか、シリーズが多すぎて何から見れば良いのかが難しいです。やはりクウガから順番に見るのが良いのだろうか……。でもビルドやディケイドも気になるし……。迷います。
そんなこんなで、ハマればはまるほど本当に悔やまれます。
なぜ私は仮面ライダーと無縁の三十年間を送ってしまったのか、と。
「仮面ライダー?ああ、子供向けのあれね」とか言っていた当時の自分をこの場に超時空転送して目の前で土下座させたい。「調子こいてすいやせんしたぁ」とか言っているところに、怒りのパンチを食らわせてやりたい。「これは俺の分!」とか言いながら、怒りのライダーキックをお見舞いしてやりたい。
これはあれか、もうイマジンと契約するしかないのか……。
さて、ついつい熱が入ってしまい、趣味全開で書いてしまいました。
以降、少しこのブログの趣旨に寄せてまとめていきます。
少子化との向き合い方
「子どもが少ない」ことを認めたからこそ打てる手がある
現在日本社会を悩ませている「少子化」。
これは何も学校現場だけではなく、玩具メーカにも喫緊の課題となっているはずです。
子供向け玩具は現在、ベースとなるおもちゃを買わせた後、そこに装着するアタッチメントを追加で購入させる、という手法が主流となっています。
仮面ライダーで言えば、大本となる「変身ベルト」を買い、そこに複数の異なるパーツを付け変えていく、というスタイル。
これは私が幼い時にはまだ無かった考え方だったと思います。
(ファミコンのようなゲーム機器にはハードとソフトの概念はありましたが、少なくとも幼児向け玩具では主流ではなかった)
これは確実に「一人の子供にたくさん買わせることで利益を上げる」という販売戦略です。一時期大流行した妖怪ウォッチもそのスタイルでした。
これは一見してあこぎな商売のように思えますが、時代を考えればこれがまさに最高最善の戦略でしょう。生き残るためには必要な策。この転換は必然であり、誰にも文句は言えません。
これは、少子化の影響で定員確保が年々難しくなっている学校現場でも見習う必要があります。(誤解なきよう付け加えておくと、これは別に「一人の生徒から搾り取ろう」、ということではありません。いや、でもその考え方もアリっちゃぁアリかな、この際)
かつてのように「人数を取り込み総数を上げることで利益を上げる」ではなく、「少ない人数でも利益が上がるような枠組みを創出していく」というシフトチェンジが求められています。
「子ども」という限られたパイを奪い合わねばならぬ厳しい状況。是非とも成功を収めている幼児向け玩具業界のノウハウから学んでいきたいところ。
「親も巻き込む」という考え方
そんなグッズ達ですが、基本的に購入の費用を負担するのは子どもたちの親になります。
いくら子どもを取り込もうとも、肝心の親にグッズを買ってもらえなければ、利益は上がりません。それを考えると、「親世代を取り込む」ことは重要な課題でしょう。将を射んと欲すればまず馬を射よ、というわけです。
そう考えると、「大人にとっても魅力あるコンテンツ」を志向し、親まで巻き込んだ販売戦略を展開することで成功を収めているのが、まさに「仮面ライダー」シリーズということでしょう。
そして、まんまとその思惑に乗せられてしまっている男がここにも一人、というわけです。
現在、高校や大学への進学先の選択に関しては、子ども自身の意見よりも親の意向が強く影響している、というのが実情です。
あらゆる情報が手軽に入る時代ですから、世のお父さんお母さんは進学先の学校について様々なことを知っています。また、「学歴社会の深化」や「一人っ子の増加」など、あらゆる社会状況と呼応する形で、子どもの将来としっかり向き合う親が増えてきたとも考えられます。
いずれにせよ、学校はそうした「保護者の意向」を無視できない局面を迎えている、というわけです。
「社会に開かれた学校」ということもかなり言われるようになってきている現在、もはや学校はその内部で自己完結するような機関では無くなってきています。
通ってきている生徒だけでなく、もっと広く、もっと多様な世代に魅力を発信できるコンテンツを展開していくこと。これからの時代を考えればこれは必須でしょう。
まとめ
これだけ娯楽が多様化した時代においても、安定してファンを生み出し、利益を上げ続けている「仮面ライダー」という化け物コンテンツ。
それは決して偶然の産物などではなく、明確なビジョンに基づく販売戦略と、目的に応じた効果的なメディア展開戦略があるわけです。
そして何より、それを支えているのは、私のようなずぶの素人でも画面越しに感じ取ることのできる「作り手の愛」なのでしょう。
これら全てに学ぶべきポイントがあります。
我々学校は、従来の狭い価値観にとらわれてしまい、未知へと切り込む開拓精神を失ってはいないか。
自分たちのやっていることを魅力あるコンテンツとして、自信をもって発信するだけの愛はそこにあるのか。
最近になって私の中に住み着くようになった仮面ライダーは、そんなことを私に問いかけてきます。